「その仲介屋はセシエルからの馴染みなのだろう」

 セシエルをよく知り、共に暮らしていたライカの事もよく知っている。

 優秀な男なら、相手の力量に見合う仕事を紹介するだろう。

 ベリルは基本、接触した者については調べるようにしている。

 ライカの事を知れば知るほどに頭を抱えずにはいられなかった。

「お前のしてきた仕事は猫の使い程度でしかない」

 本来なら小遣い稼ぎレベルのものだ。

「そこまで言う!?」

 されど、そうなのかもしれないと言い返すことも出来ず、でかい図体(ずうたい)を小さくした。