「あわわわっ!?」

 止まない銃声に体が震える。

 しかし──数十秒ほど続いたあと、撃ち尽くしたように銃撃はぴたりと止まった。

「あれ?」

 ライカは、あれだけの攻撃に少しも痛みがない事に気づいて頭を上げる。

 自分を見回すも、まったくの無傷だ。

「……防弾?」

 窓のガラスさえ割れていない事に驚き、上半身を起き上げてベリルの背中を見つめた。

「特別仕様でね」

 悔しげに顔を歪める女に微笑み、ピックアップトラックに向かう。

「待ちなさい!」

 声を張り上げてベリルを制止するが、その歩みは止まらず振り返る事もなく車に乗り込んで走り去った。