「西ってどっち」

 この言葉には、さすがのベリルもがくりと肩を落とした。

 こいつは本当にハンターなのか。

「北を指してみろ」

「えっ!?」

 突然の指示に狼狽(うろた)えながらも、とりあえず空と周囲をキョロキョロと見渡したあと、小首をかしげて照れ笑いを浮かべた。

「もう良い」

 諦めたように眉を寄せ、ピックアップトラックに向かう。

「待てよ!」

「お前と遊んでいる暇はない」

 時間があれば懇々と説教しているところだ。