「私を狙う理由は様々だ。組織だけとは限らない」

「じゃあ彼女にもそれなりの理由があるってことか?」

「自分で調べたらどうだ」

 ライカを軽く睨みつけた。

 まずは自らの情報網と足を使う事が基本だというのに他人の、ましてや現状での獲物から何を訊こうとしている。

「それはそうだけど」

 困ったように声を小さくしたライカに、これでハンターだというのだから呆れたものだと眉を寄せる。

 そのとき、

「西から何か来る」

 大気から伝わる気配にベリルは表情を険しくした。

 しかし、ライカは怪訝な顔で空を仰ぐだけだ。