「今度はなんだ」
「えと……」
ライカは言い出しにくそうにしながらも渋々、語り始めた。
──ひと通りの説明にベリルは頭を抱え、溜息を吐きつつライカを見つめる。
学ぶという事をしないのか、これでは前回とまるで変わっていない。
「それを信じた訳ではあるまいな」
「そ、そんなわけねぇだろ!」
ライカは否定するが、その目は微妙に泳いでいる。
「で、でもよ。あんな女の人があんたを狙うってのは、組織とは関係ないんじゃないのか?」
「それは私に何かしらの非があるとでも言いたいのか」
「そ、そんなこと言ってねぇって!」
どうなんだか……。
ベリルは目を据わらせて男を見やった。