──それから数日後、ライカは次の依頼を受けるべく連絡のあった場所に訪れる。

 そこは、町外れの寂れたカフェといった具合の店構えだ。

 他の町から来る車をターゲットとしたカフェレストランなのだろう。

「この男を捕まえて欲しいの」

 すらりとした美女から渡された写真にライカは眉を寄せる。

 依頼主が女性のしかも美女だと知って心浮かれたライカだが、写真を見た途端に複雑な気分になった。

「理由を聞かせてくれないか」

 その女性はライカの問いかけに見上げた目を潤ませる。

 腰までの緩くカールされた栗毛と、艶を帯びたグレーの瞳がライカを誘うように揺らめていた。

「この男は私の恋人に酷いことをしたんです」

「ベリルが?」

 つい口にした言葉に女性は顔を上げる。