天使の残像

「で、いくらなんだ?」

 ライカもここまで言われて悪い気はしない。

 緩む口元を引き締めて交渉を続けた。

「前金で一万アメリカドル。引き渡し時に五万」

 随分な額だ、よほどの悪人らしい。

 ライカは示された額に口笛を鳴らした。

(作中でのレートは一アメリカドル=九十円)

「奴の消息は逐一、あなたにお知らせします。引き受けてくださいますか?」

「俺に依頼するくらいだから、やっぱり強いのか?」

 ライカはしばらく考えたあと問いかけた。

 すると男はしっかりと首を縦に振る。

「そうです。奴は傭兵としても一流で、その技術を悪事に使っているのです」

「へえ」

 そんなに悪い奴なのか……。

 ライカは眉間にしわを寄せた。

「お願いできますか?」

 男はライカの顔色を窺うように、やや覗き込んだ。