「セシエルは本当に約束を守ったのだな」

「約束?」

 ぼそりと発した言葉にいぶかしげに返した。

「私は不死なのだよ」

「はい?」

 こいつ、この期に及んでまだそんなことを言うのか。

 この流れなら信じてもらえるとか思っているならとんでもなく甘いぞ。

「ミッシング・ジェムという言葉は」

「それはタブーの言葉だとオヤジが」

「なるほど、そういう言い方をしていた訳か。意味は知っているか」

「……あんまり」

 ベリルは小さく溜息を吐き出した。