「奴が三十七だったか」

 ライカはそれに十七年前かと考えを巡らせる。

「じゃあ、あんたが子どもの時に会ったんだな」

「あの時は三十だったと記憶している」

「は?」

「三十だ」

 しれっと応えるベリルをしばらく見つめ、聞き間違ったのかと薄く笑った。

「冗談だろ?」

「本気だ」

「じゃあ今は五十だっていうのか」

「うむ」

「ふざけんなよ」

 これまたしれっと答えたベリルに呆れるやらムカツクやらで眉間にしわを寄せる。