二人はベリルの車で落ち着いた場所まで移動した。

 町の外れは人の気配すらなく、次の町に続く道には荒野が広がっている。

「俺、十歳の時に捨てられたんだ」

 ライカはピックアップトラックの助手席でうつろに外を眺めて重々しく口を開いた。

「一人でいる所をオヤジに拾われて、身寄りのない俺を引き取ってくれたんだ」

 初めはハンターなんて知らなかった。

 きっと、俺のために引退していたんだと思う。

 けど、どういう訳か復帰して、俺はそんなオヤジの傍でずっとそれを見てた。

 復帰したのは四十五歳だったけど、その仕事は素晴らしかった。

 格好良くて素早くて、ハンター仲間の多くが尊敬していた。