「お前の求めるものが嘘ではないのなら、お前に捕らわれる理由はない」

「う、くそっ」

 こうもきっぱりと言われてしまってはライカに口を挟める余地はなく、力なく頭(こうべ)を垂れる。

「お前が目指すハンターをもう一度考えてみると良い。でなければ、また同じ過ちを繰り返す事になる」

 自分よりもやや身長が低く細身のベリルがライカにはとても大きく見えた。

 そして、不思議な感覚が心の奥底から湧き上がってくる。

「左に監視がいる」

「えっ」

「顔を向けるな」

 低く告げられ、顔を向けようとしたが静かに制止されて目だけを左に向けた。

 しっかりとは確認出来ないが灰色のビルの影に暗いスーツを着たサングラスの男がいる。

 男に見覚えはなく、その様子は明らかにこちらを監視していた。