「金か」

「違う」

 ぶしつけな問いかけに顔をしかめる。

 オヤジはそんな人じゃなかった。

 オヤジに憧れて、オヤジを目指してハンターになったんだ。

 そんな俺が金のためでハンターなんかするかよ。

「名声か」

「違う! 俺は、悪い奴をやっつけるために──」

「罪もない者がもし、何かの策略で悪しき者として依頼されれば貴様は捕えるのか」

 柔らかいが鋭い物言いに言葉を詰まらせる。

「それ──それ、は」

 依頼主が本当の事を言っているとは限らない。

 その考慮を欠いた行為に静かな叱責を受けてライカはすっかりしょげた。