「──うっ!?」

 そして次にベリルが目を開いた瞬間、ライカは動けなくなる。

 先ほどまでとは違う強烈な存在感に足が震える。

 ただそこに立っているだけだというのに、まるで射すくめられたように体が強ばり喉が詰まる。

 まるで喉が渇いたように張り付いて今にも咳き込みそうだ。

 俺はいけるんだ。

 有名なハンターだったオヤジにずっとついてたんだぞ、俺にやれない訳がない。

 ライカは心の中で必死に自分を励ました。

 そんなライカの恐怖心を悟ったのか、ふいにベリルの鋭さが消える。

「気が失せた」

「えっ!? ちょっとまっ──!?」

 今までの緊張から突然に解放されたせいで素早く車に乗り込むベリルに対応出来ず膝からガクリと崩れ落ちる。

「おい! 待てって! 待てよ!」

 なんとか追いかけようと必死に立ち上がるがすぐに膝が折れる。