天使の残像

 万が一にも背後から忍び寄る事が出来たなら、もしかしてもしかするとベリルのどこかを掴めるかもしれない。

 これだけの体格差ならよしんば掴めたとして、あり得ないことじゃないがそのまま捕らえられるかもしれない。

 ベリルは百七十センチと細身で小柄だ。

 大抵の人間はその外見で彼を過小評価する。

 ハンターならばある程度は相手の力量を読む能力にも長けていなければならないのだが、どうやら熟練者ではないらしいとベリルは推測した。

「誰に頼まれた」

「言える訳ねえだろ」

 ライカは逃がさないと強調するように体勢を低くして視線を外さない。

 その様子にベリルは仕方がないというように小さく溜息を吐いて目を閉じた。