天使の残像

「なんなんだあいつ」

 悔しげに舌打ちした。

「俺が逃げられるなんて」

 失態に憎々しくつぶやき車を走らせる。

 ベリルという青年の外見には似つかわしくない無骨な車だったため、もしやあれが彼のものだとは思ってもいなかった。

 しかし、傭兵ならばあれも納得の範囲だろう。

「次は逃がさん」

 こっちには追跡して知らせてくれる人間がいるんだ。

 逃げても必ず追っていく。

 ライカは勝ち誇ったように鼻を鳴らした。