新米ハンター、ライカ・パーシェルの元に一人の男が依頼を持ちかけていた。

 ライカのいるその建物は大きいとは言い難く、ある程度の生活が可能なだけの物置のような無骨な造りだ。

 おそらく定住しない者が短期間の住処とするための貸し家なのだろう。

「ベリル・レジデント?」

「そう、彼を捕まえてもらいたい」

 細身の男は暗めのスーツに身を包み、若干の威圧を放っているようにも感じられる。

 黒いサングラスは表情を隠すためだろうか。

 ライカは新米といっても、すでに二十七歳になっている。

 まるで熊のようにガタイだけは大きくて、いっぱしのようにも見受けられるが一人前になったのはつい二年前である。

 艶のないブラウンの髪は肩まであり、青い瞳に彫りの深い顔立ち、草色のミリタリー服にタクティカルベストを合わせた恰好だ。