ミスコン当日。

あんまり人込みを好まない俺は開始ギリギリに行った。

到着して間も無くミスコンは開催された。

『エントリーナンバー9!!学園の姫!!葉月繭!!今回初エントリーだ!!』

繭は困惑って言うより迷惑って顔をしている。

まぁエントリーさせたのは俺だけど。

目が合った。

ような気がする。

『では、葉月さん!ズバリ、好きな人いる?』

司会者が、そう質問すると、繭は下を向いて考え込んだ。

司会者がもう一度、  

『好きな人は?』

と、聞くと、繭は顔を上げて

『います』

と、答えた。

『おぉっと!!学園の姫には思う王子が!!』

何で俺はこんなにも苦シインダ?

繭が思う相手が俺だったら。

何デ、ソウ、思ッタ?

俺の気持ちが分カラナイ。

そんな事を考えていたら、告白タイムが始まっていた。

『次はエントリーナンバー9!男性は前へ!!』

俺は行かなかった。

あの中に繭の思う人がいたら・・・

ソウ思うと足が進まなかった。