KISS AND SAY GOOD-BYE






バイトが終わり、サブ会議室を片付けた後スタッフ達と缶コーヒーを飲みながら1階のロビー迄やって来た。



皆と別れて、ロビー隅に置いてあるソファーに座り、美華が降りてくるのを待っていた。



数分して、降りてきた美華に近付いて



「美華!

一緒に帰ろう。」



『うん。』



「今日の放課後さぁ、生徒会長の小坂さんから聴いたんだけど…………」『りゅう、ちょっと良いかなぁ?』



「どうしたの!?」



『実はさぁ…やっぱ良いわ!

帰ろ!』



「何だよ変な美華。

気になるじゃん。

お願い事でも有るの?

それとも、調子でも悪いの!?」



『そんなんじゃないわ。

気にしなくて良いから、帰りましょ。』



「気にしなくて良いからって言われると余計に気になるんだけど。」



『来月、紅葉でも見に行けたら良いなぁって思ったけど、この時期は忙しいもんね。』



「大丈夫だよ。

1日でも休みが取れたら、日帰りで行こうよ。

バイクでだったら、あっという間だから。」



『そ……そうね!

それじゃあ、約束ね。

さぁ、帰りましょ!』



「あぁ。

バイクだから、はい、美華専用のヘルメット。」



『わぁ、真っ赤なヘルメット。

オシャレ!

このデザイン素敵ね。』



「だろう!?

キラキラとラメ模様の赤の中に、白いドラゴンが泳いでいるのを見たとき、美華専用のヘルメットに最高!って思って即買いしちゃった。」



『ありがとう、りゅう。』



「さぁ、帰ろ!

今日は会議の後片付けに時間が掛かったから遅くなったよ。

お父さんも心配してるから、今日は寄り道しないで帰ろうな。」



『はーい。』



「じゃあ、しっかり捕まっててな。」



『うん。』



結局、りゅうに何も聴けなかったよ。


メチャクチャ気になるのに、本当の事を知るのが怖かった。



棚橋さんの言ってた事が本当なら、私はどうする?



てか、どうしたい私…………



なかなか答えが出ないまま、気が付けば私の家の前に来てた。


「着いたよ。」



『いつも有り難う、りゅう!

気を付けて帰ってね。』



「あぁ。

それじゃあ美華、オヤスミ。」



と言って、私のほっぺたにチュッと軽くキスをして、帰っていった。



そうだよ。



りゅうが二股したり、私を裏切ったりする訳ないわ!



と、自分に言い聞かせながら、家の中に入っていった。