KISS AND SAY GOOD-BYE

 



『直ちゃん、ホントにイケメン紹介してくれるんだよね!?』


『もちろんだよ!

早くおいでよ!』


すると、ドアの陰から出てきたのは、


「『あ゛~ッ!』」


『二人してハモッちゃって、もしかして知り合い!?』


「入学式の時の!」


『最低男…!』


「何が最低男だよ!

まぁ、見た目は合格だよな。」


『あんたは性格に問題有りだよ!

セクハラ男。』


「ヒデェなぁー。

確か滝本美華って言ってたな。

俺、こいつとは同じ中学校でさ、直美の弟は同じ空手の道場に通う後輩なんだ。」


『桧山君、ナルナルも私達とおんなじデザイン科なんだよ。』


「ナルナル!?

…成山か!?」


『そうだよ。』


「ちっちゃいのばっかしだなぁ。

直美は、相変わらず149cmか!?」


『残念!

遂にこの春、身長が150cmになったんだから。

ミカミカは、152cmだよ。』


「成山も確か直美と同じくらいだったよな!?」


『ナルナルは、148cmなのだ!』


「相変わらずだよなぁ。

俺なんか、183cmも有るから、気をつけないと、良く頭ぶつけて仕舞うんだから。」


『桧山君って言ったかな!?

私の名前覚えてたんだ…!?』


「まぁな!

滝本、直美や智絵は俺の中学時代の同級生だから、仲良くしてやってくれよな!」


『あんたに頼まれ無くても、私達仲良しだから!』


「そっかぁ。

それから、入学式の時に言った事、忘れてくれよな。

ちょっとふざけ過ぎた。」


『もう良いわよ!

ところで桧山君は、部活とかやるの!?』


「この学校には空手部が無いから、何処にも入んねぇ!

滝本さんは!?」


『私は、帰宅部。』


「直美は?

って、お前は何処でもいいか。」


『ちょっと、ちゃんと聞いてよ!

うちは、演劇部だよ!

将来は、自宅のアトリエで油絵を描きながら、女優活動をするのさ!』


「お前は五月みどりか!」


『エヘッ!』


「何がエヘッ!だよ!

似合わネェ!」


『桧山君、そろそろお昼休み終わっちゃうわよ。』


「いけねぇ。

じゃあ、お二人さんまたな!

成山にもヨロシク!」


『ナルナルは、相変わらず図書室だわ!』


「また絵本か?」


『そうでしょ。』


「ホントに好きだなぁ。」