暫くしたら、外が騒がしくなってきたので、俺は表に出て仕事に戻った。


そこへ遣って来た4人の若者達。


1人はヤンキー風の20くらいの男と、ギャルメイクをした10代の女性3人だ。


「いらっしゃいませ!

4名さまですね。」


『見りゃわかんだろ!

VIPルーム使わせろや!』


「大変申し訳御座いません。

ただ今VIPルームはお客様が入られておりますので、どうか別の部屋をお選び頂けますでしょうか!?」


『ナニ!?

そんなもん、時間ですとか言って追い出せば良いじゃんか!

俺は、VIPルームを使いにきたんだから、早く如何にかしろや!』


「先ほど入られたばかりで、3時間の予定と成っていますので、21時までは無理で御座います。」


『ふざけんな!!! 3時間も待てるかよ!

俺を舐めとんのか!?

俺は、この渋谷を牛耳ってるチーム、≪マッドブラック≫のNo.2、亀山仁だぜ!

こんな店潰すのなんてアッと言う間だかんな!

分かったらさっさと部屋に案内しろや!』


「そう言われても……」


そんな店長と客のやり取りがされていたところだった。


俺は、これ以上騒がれたら店に来てくれている他のお客様に迷惑が掛かると思い、カウンターからでてその亀山と言う男の前に出た。


「お客様、無理を言われても、どうしようも御座いませんので、VIPルームを御使用になりたいのでしたら、予約を入れて21時にもう一度お越しください。」


『誰だお前!?

ガキのくせに、何偉そうに物言ってんの!

ボコられたくなかったら引っ込んでろや!』


「そちらこそ、良い大人が女性の前で粋がって、何偉そうに吠えてんの!?

恥ずかしく無いの!?」


『喧嘩うっとんのかガキ!?

お前、誰に喧嘩売ってるのか分かってんのか!?』


「あんたなんか知らんね!

マッドブラック!?

いつからおたくのチームは、輩みたいなのをNo.2に置くようになったの!?

リーダーの新庄さんは、良く怒らないね!」




『お前……何で新庄さんの事を知ってる!?』