開店して1週間が経った。


日に日にお客さんも増えていき、今は連日満室状態が続いている。


美華も、俺と一緒に頑張っているが、そろそろ疲れが出てきてるんじゃないかな!?


12月1日に行われる、第1回、GTSカラオケ大会に向けての準備も始めなければいけない。


カラオケ大会は、3ヶ月ごとの年4回行われるんだ!

3・6・9・12月の1日にスタートして、予選を通過したら地区大会、東京大会と進み、決勝に残った者が、ファイナル進出するんだ。


そして、10月の第2日曜日に各大会を勝ち抜いてきた人達の最終決戦が行われるんだ。


そこで優勝したら、晴れて歌手の仲間入り!


って訳には行かないんだ!


事務所とは契約出来るが、そっからボイストレーニングをしたり、地道な活動をしながら売り出す方向性も決めていくんだ!


新星MUSICには、作曲家や作詞家も居て、その人達が曲を提供してくれるが、自分で作った曲を、アレンジや手直しもしてくれるスタッフが居るから、心強い。


振付師から衣装担当、ヘアメイクアーティストからスタイリストまで居るんだから、新星MUSICって会社はたいしたもんだ!


外注に頼らずに、自社のスタッフで全て出来るようにと、高山社長が創業した時に、そう決めて、それを実現させたんだそうだ。


最近では、パンクバンドや若い男性ボーカルグループが流行っているが、高山社長は、息の長いソロの歌手が欲しいそうだ!


その為にも、このカラオケ大会でソロ歌手のタマゴをゲットしなくっちゃ!


なんて、このカラオケ店でエネルギーを使い果たしている俺は、学校の授業中は良く居眠りをしてしまっている。


特に退屈な機械工作や原動機の授業は、先生の声が子守唄に聞こえてくる始末だ!


それでも、中間テストでは、上位5人の中には入っているけどね!


クラスメイトや、他校の友人に新星GTSの2時間無料券を配りまくったお陰で、殆ど毎日知り合いが歌いに来てくれる。


デザイン科の柘植さんや成山さんも、機械科の松山や川田と一緒に遣ってきた。


美華は、羨ましそうに彼らの部屋を覗いていた。