大学2年生となり、選択の授業の講義内容をチェックしたり、毎週のスケジュールを作成したりして、バイトに入れる日をメモしていた。


と、そこへ



『おーい桧山、今日暇か!?』



「よう岩崎、どうしたんだ!?」



『今日は講義も無いから、これから皆で狭山湖に行かないか!?

すんげぇ桜が綺麗なんだぜ!』



「いいぜ!

今日はバイトも入ってないし、学食か購買部で何か買って行くか!」



『関川達もいくから、車相乗りな!

寮の奴らとかも行くって言ってるから。』



「了解!

じゃあ、駐車場で待ってるから。」



『OK!

直ぐに行く。』



そして、直ぐに和田明良と彼女の関川弥生そして、藤浪真由、桑原健吾と彼女の内田優子、岩崎光志の6人がやって来た。



皆、おなじ学部のツレだ。



「じゃあ、和田と関川こっち乗るか?」



『隆一君の隣は私よ!』



と言って、藤浪が俺の車の助手席に潜り込んで来た。



「相変わらず強引だねぇ。」



『じゃあ、桑原と内田さんはこっちのセドリックに乗ってな!』



そして、10分少々のドライブでやって来た狭山湖の畔(ほとり)。



湖の周りに植えられた何本もの桜が、綺麗に咲き誇っていた。



今年は例年に比べ寒い日が長く続き、開花が遅れたので、新学期が始まった今頃に漸く満開なのだ。



皆でワイワイガヤガヤ言いながら、お菓子をほうばり、ジュースを飲んで、デジカメで沢山の写真を撮って、土手に寝っ転がった。



『風が気持ち良いわねぇ。』



「そうだな。

藤浪、彼氏は出来た!?」



『それ聞く?』



「何となく聞きたかっただけ。」



『良いなぁって思える人が現れないんだよねぇ。』



「ハハハ、そっかぁ。」



『あぁ、今笑ったぁ~っ!』



『藤浪、桧山は諦めろよ。

そうだ!

この前テレビに出ていた、都知事の息子なんてどうなんだ!?

なんでも、恋人は居ないっていってたぞ!』



「そうだよ。

彼なら男前だし、優しそうだし、金持ちの家系だし、前に1度食事したことあるって言ってたじゃん‼」



『やぁよ!!!

あいつ、すんごいマザコンなんだから。

それに、趣味で集めている訳の分からない人形、なんかキモいし!』



「フィギアだね!

マザコンのオタクかぁ。

ちょっと藤浪にはキツいな!」



『でしょう。』



『それじゃあ、総理の所の次男坊は!?

政治の世界じゃないし、イケメンだぞ。』



「そうだよな!

彼とも確か知り合いだったよな。」



『陽佑兄さんはだめだよ。』



「俳優遣ってるから!?」



『ちがうよ。

内緒だけど、陽佑兄さんには素敵な彼女が居るんだよ。

って言うか、もうそろそろ結婚するんじゃないかな。』



「マジで!

大スクープじゃん!」



『絶対に内緒だよ。』



全員 「『「 は~い! 」』」