『それでも、まぁ社長の権限で来月には日本に連れてくるんだけどねぇ。』
「ワンマン社長みたいですね。
今までの社長なら、スタッフの意見も聞いて、最善の道を選んできてたのに、今回のその新人女優にはかなり肩入れしてますね。」
『まぁな!
熊川企画の邵(ソ)会長んところみたいに、うちも日本で韓国からの女優をデビューさせないと、負けたと思われるからな!
バラエティやアイドル、歌手や芸人まで、全てうちの方が熊川企画の上を行ってるんだから、女優も売り出して、これが成功したら男性俳優も韓国から日本につれてくるつもりだから。』
「まるで子供のケンカじゃないですか!?
それで、私たちを呼んだのはどうしてですか!?
どういった事をすれば良いのですか!?」
『そうだった。
話が逸れてしまったけど、今回は君達二人に、その新人女優の獨孤 美栄(トッコ ミヨン)の日本での仕事を探してきて貰おうと思ってるんだよ。
要するに、君達二人で彼女のマネージメントをしてもらいたい。
勿論、正規の担当は、正社員を付けるけどね。
君達で、彼女を巧くプロデュースして、売り出して、尚且つマネージメントも遣るってことだよ。』
「彼女の宣材とか資料は有るんですか!?」
『あぁ、これだ!
美人じゃないけど、エキゾチックな顔立ちをしてるだろ!?
身長158cm、体重49kg、上からB88cmW54cmH88cmだ!』
「凄い……。」『羨ましい……。』
「特技が、テコンドー、韓剣道(ハンコムド)、乗馬、凄いなぁ。
趣味が、料理にダンスに歌かぁ。
芸能界に入るために、小さいときから色々とやって来たって感じですね。
来月1月7日で二十歳ってことは、俺達の1つ上になるんだ。」
『そうなんだよ。
年が近いから、話も合うだろう。
絶対に二人とも会ったら驚くぞ!
女優だって事を感じさせないくらい、人懐っこい女の子って感じだから。』
「そうなんですか!
でも、これだけ良い素材なら、普通に売り出していくことも可能ですし、バラエティでも顔を売っていく方法もとれるし、簡単そうじゃないですか。」
『そうよね。
もしかして、だから私たちにプロデュースからマネージメントまでやらさせてくれるんですか!?』
『だと良いんだが、そうじゃないんだ。
君達の、1視聴者とか、1ファンとか、そういった目線から彼女を見つめて、必ず売れさせて有名女優として、一年後に韓国へ逆再デビューさせたいんだ。
日本で出来た沢山のファンを引っ提げてのな!』
「また難しい事を押し付けてきましたね社長!」
『押し付けたって、人聞きの悪い。
私は、君達を信じているから、お願いしたいんだよ。』
「1アルバイトにですか……。」
『君達は、特別だよ。
ただのアルバイトなんかじゃ無いんだからね。』
「それにしても1年は短すぎるでしょ。
せめて2~3年は無いと!
1年後に、韓国で再デビューさせようとすると、日本のメディアで彼女を見掛けなくなるから、国民は【あぁ、彼女はもう消えたのか!】ってイメージを付けちゃいかねないですから。
その一発屋のイメージを付けたくないから、最低でも1年と言わずにもう少し日本で活動をさせた方が良いのでは!?」
『そうですよ社長。
日本の視聴者って、テレビで見掛けなくなったイコール消えたなんですから。』
「だから遣るからには、もう少し長いスパンで、彼女を売り出していきましょうよ。」
こいつら、本当に遠慮無しで社長の儂に平気で意見してくるなぁ。
まぁ、そんなこいつらだからこそ、俺もなんでも任せてみたくなるんだけどな!
『そうだな。
じゃあ、最低でも2年間は拠点を日本に置いて、3年目からは日本の仕事とは別に、韓国からのオファーが有れば、行ったり来たりするって言うのはどうかな!?
どうせ近いんだから。』
「それは有りだと思います。」
『インターネットも有るしね!』
「だな!」
『それじゃあ、年明け早々に河野次長の下、獨孤 美栄(トッコ ミヨン)のプロデュースとマネージメント宜しく頼んだぞ。』
「『はい、頑張ります。』」
と、美華とハモるように返事をした。
『明日の31日から1月3日迄の4日間は、二人とも休みだから、のんびり過ごしなさい。
それじゃあ、お疲れさん!
良い正月を迎えなさい。』
「お疲れさまでした。
良いお年を!!」
『社長、良いお年を!
お酒飲みすぎないように気を付けて下さいね。』
バタバタと、慌ただしかった1年間も、アッ!と言う間に過ぎていき、気がつけばもう年の瀬、俺と美華は俺の愛車に乗って、ゆっくりと美華の家に向かった。



