KISS AND SAY GOOD-BYE






「ところで、大学の方はどうなんだい陶一郎!?」



『聞いてくれよ桧山!

講義もゼミも実習や実験も、殆ど陶子と一緒でさぁ、教授達も俺達が従兄妹同士って知ってるからさ、いつもセットで見られるんだわ!

知っての通り、アイツは出来が良いだろう!?

逆に俺は付いていくのが精一杯だからねぇ。

何かと比較されるわけ!

それで、おれが巧く出来なかったら、ニヤッって笑ってくるんだぜ!

マジでバカにされてる気分!』



『陶一郎、私の為にも頑張らないと!

じゃなきゃ、別れるわよ!』



『分かってるって!

なぁ、桧山!

どうすりゃ良いかなぁ!?』



「簡単じゃないか!

従妹よりも良い成績を取れば良いだけの事!

その為には、1にも2にも努力するしか無いっしょ!」



『リュウ、吉川君になんかもっと優しいアドバイス無いの!?』



「無いよ。

こいつは、できる頭も実力も持ってるくせに、なぜかいつも手抜いてるんだから!

勉強だって、元々は理数系は平均値以上の事は理解しているのに、頭を使おうとしないから、応用問題が解けなかったりして点を落としてるんだから。」



『へぇ、そうなんだ。

じゃあ、真剣に一生懸命取り組めば陶子ちゃんにも勝てるって事!?』



「そういうこと!

集中力が足らないからニアミスするし、焦るから物事をキチンと多方向からみれてなくてミスに繋がるんだよ。

俺の親父の塾に来る生徒にも、陶一郎と良く似た生徒がいるんだけど、ある遣り方に勉強方法を変えたら、200位以下の成績が一気にトップ30位まで上がったそうだよ。」



『マジで!?

桧山、その方法を俺にも教えてくれ!』



「知りたければ、俺の親父の経営する文理学園に入って貰わないとな!」



『えぇ~‼

マジで!?

いくらなんでもそんなに時間の余裕がない。

真里江っちとデートが出来なくなる。』



「それじゃあ、自力で頑張りなさ~い!

ハハハ!」



悪魔の様な笑いを陶一郎に向ける桧山だった。



『リュウ、調子乗りすぎ!

可愛そうだから、教えてあげなさいよ。』



「しかたないなぁ。

美華に感謝しろよ、陶一郎!

簡単なことだよ。

基礎からやり直すだけ。

だいたい、授業が難しくなるのは、小学校の四年生くらいからだから、それくらいからのドリルとか参考書を買ってきて満点がとれるまでやるの。

小学生の問題なんだから、間違う事なんてまず無いんだけど、舐めて掛かると、うっかりミスとかケアレスミスって言うのが沢山出てくるから!

ついでに言うと、問題を読むのも真剣にならないと、小学生の問題といっても、間違った解釈してしまったりするんだぜ!

だから、常に集中して見直しをしながらどんどん満点を、とっていくのさ。

国算社理の4教科を小四から小六まで全部満点で出来たら、次は中一から中三までの必須教科をやっていく。

ただそれだけ!

そして、たまにまた平行して小学生の問題集をやる。

高三までの基礎学習を常に繰り返すこと!

常に、基礎学習を怠らなければ、現在の講義の内容も、驚くほど理解できるようになってくるから。」



リュウのこの話を、谷さんも美華も吉川もマコちゃんと愛ちゃんも、成る程と言う顔で聞いていた。



「でもなぁ、小学生の問題となると、バカらしくてなかなか出来ないんだよなぁ。

だから、吉川には、出来ればうちの塾で取り組んでもらうか、それが嫌なら家庭教師をつけるかだな!

谷さんが、デートとして吉川の自宅に行って、彼に小学生の問題集を遣らすのが一番効果あると思うんだけどなぁ…。」



『任せっなさ~い。

陶一郎、明日から特訓よ!』



悲壮感を漂わせた陶一郎が、ジトッと、俺を横目で睨んできた。