KISS AND SAY GOOD-BYE






翌朝、9時にチェックアウトを済ませ、俺と美華は車に乗り込み都内に向けて走っている。



『ネェりゅう、何処に向かってるの?

マコちゃん(高校時代の共通の友人の平井誠)達との約束は、昼の3時だからまだ早いし。』



「ヴィーナスフォートに行こうかなぁって!」



『そっかぁ!

皆へのクリスマスプレゼント買うんだね!?』



「そう言うこと!

ついでに、そこでお昼食べようか!?」



『それ良いねぇ。

あそこで行きたいお店があるんだ!

美味しいんだよ。

良いでしょ!?』



「もちろんだよ。

美華の食べたいお店で良いよ。

で、どんなお店!?」



『着いてからのお楽しみ!!』



「え~ぇ……、了解!」



都心からレインボーブリッジを渡ってすぐの、パレットタウンはウェストモールに到着した。



そこにあるヴィーナスフォート1階(ヴィーナスファミリー)で、皆へのクリスマスプレゼントを購入した後は、2階(ヴィーナスグランド)に上がり美華のお気に入りと言うお店に到着した。



『ここのお店が私のお気に入りのお店なんだ!』



と言って、噴水広場の真ん前にあるオープンテラスの有るカジュアルフレンチのお店を指差した。



「Cobara-Hettaじゃん。

そっかぁ!

確かに人気が有るもんなぁ。」



『あれ!?

もしかして、りゅうこのお店知ってたの!?』



「大学の連れが、ここでウェイターのバイトしてるんだ。」



『そ…、そうなんだぁ……。』



「何落ち込んでんの!?」



『いやぁ、りゅうに最近の若者が行くお店を教えてあげたかったんだけど、やっぱりゅうは知ってたかぁって……。』



「たまたまだよ。

俺のバイトしてるツレが、【ここは時給が良い上に、賄いまで付いてるし、スタッフは皆フレンドリーで、楽しい職場なんだ】って1こ上の先輩から紹介して貰って、バイト始めたらしいんだけど、そいつに誘われて何度か俺も来たことが合ったんだ。

美華こそ、どうしてこのお店知ってたの!?」



『ここのオーナーが、私のパパの知り合いで、新規オープンの時に連れてきて貰って、その後もちょくちょく友達なんかと食べに来てたんだ。

本格的なフレンチがめちゃくちゃ安く食べられるし、味付けも私の好みど真ん中なんだもん。』



「それ、分かる分かる!!!

ステーキのランチセットでも2,000円もしないんだもんなぁ!

それに、新鮮な野菜のサラダも最高だし!」



『それそれ、その野菜の鮮度も最高だけど、自家製のドレッシングも最高よねぇ!』



「そうそう、あのドレッシング旨いよなぁ。

さぁ、取り敢えず中に入ろうぜ。

まだランチタイムになったばかりだから、テラス席が空いてるじゃん。ラッキー!!」



『この席って、人気なんだよねぇ。』



なんて話をしていたら、



『桧山、やっぱおまえかぁ!

デート!?』



と、声を掛けてきたのは、先程言ってたここでバイトをしている俺のツレの片岡恭輔(かたおか きょうすけ)だ。



「おう、片岡!

来たぞ!

俺の彼女の滝本美華。

同じW大学なんだよ。

クリスマスもバイトかよ!?」



『当たり前だろ。

お前んとこと違って、うちの両親は金持ちじゃねぇからな。

ハハハ。

岡山県から出てきて、学費は払ってもらってるけど、生活費は自力で稼がないと家賃も払えなくなるんだから。』



「マジかよ。

頑張れ……。」



『ところで何食う!?

じゃなかった。

ご注文は、お決まりでしょうか!?』



「いきなり仕事モードかよ。

それじゃあ、ステーキのランチセットを!」



『私も!

それと、食後にホットコーヒーとティラミスもお願いします。』



「あっ、それ俺も!」



それから二人でのんびりとカジュアルフレンチのランチを堪能して、片岡と別れて車に戻ってきた。



「さぁ、そろそろマコちゃん家に行こうか!」



と言って、車を平井家に向けて走らせた。