KISS AND SAY GOOD-BYE






夜景と、打ち上げられている花火を観ながらの、クリスマスディナーは最高で、その上素敵なプレゼントまで用意してくれて、とっても嬉しかった。



普段は、本当に忙しくて大学とバイト先の新星MUSICの往復だけで、殆どデートらしいのって月1で有るか無いかってくらいだもん。



でも、そんなのチャラにしても良いくらい今日は素敵な時間を過ごせたわ。



最後に、私からりゅうにクリスマスプレゼントを!



『りゅう、ハイこれ!

あたしからのクリスマスプレゼントだよ。』



「何だろう!?

開けるよ!?」



『どうぞ!』



箱の形から、大体の予想は出来ていたが、それでもプレゼントの箱を開ける瞬間はワクワクするもんだ。



思った通り、腕時計だった。



しかし……



「美華、嬉しいんだけど、いくらなんでもこんな高価な腕時計、貰えないよ……。」



『気にしないでよ、りゅう。

貴方が私とのデートの度に使う金額を考えたら、これでも足らないくらいよ。』



「そうは言っても、この タグホイヤー・フォーミュラー1・クロノグラフ のこのタイプって45万円以上するもんだろう!?」



『りゅうだって、このホテルの部屋やディナーや指輪を合わしたら、かなりの金額になるじゃない。

だから、気にしないで受け取ってよ。

前に、りゅうの部屋に行った時、パソコンの横にパンフ置いてたじゃない。』



「それは、自分で買おうかなぁなんて考えてたから。

本当に良いんだね。」



『もちろん!』



「ありがとう。

大事に使わせて貰うよ。

マジで気に入ったよ。」



『これだとスーツにも良く似合いそうだね!

新星MUSICにいる時は、それを付けてね。

今付けてる厳つい奴は、遊びに行く時用だよ。』



「だよなぁ。

このダイバーズウォッチ、スーツに合わないもんなぁ。」



『私が新星MUSICで働いて稼いだお給料を、貯めてたんだから。』



「美華って、お金持ちのお嬢様なのに、全くそれを感じさせないな!」



『当たり前よ。

パパが、

【金持ち、金持ちって、世間で言われて、浮かれるなよ!
 お金の価値を知り、有り難みを知り、怖さを知っていなければいけないよ!
 だから、例え有り余るほどお金が有ったとしても、必要最低限のお金で満足出来る人間に成りなさい。】

って、小さいときから言われてきたんだから。

だから、お小遣いだって、高校生の時で月に五千円しか貰ってなかったんだから。』



「そうなんだ!

なんだか恥ずかしくなってきたよ。」



『どうして!?』



「俺、中学生の時でも、お婆ちゃんに金せびって、月に三万円とか使ってた時期があったんだ。」



『中学生が月に三万円!?

一体、何に使ってたのよ!?』



「殆ど中学校帰りに、まこちゃん(同級生の平井誠)や吉川(同級生の吉川 陶一朗)と一緒にゲーセン(ゲームセンター)行ったり、買い食いしたりして消えた。」



『あっきれた~!

お金は大切にしなきゃ!』



「そうだね。

それでも、最近は殆ど無駄遣いしなくなったんだから。」



『無駄遣いしてるほど、時間の余裕も無いしね!』



「だよなぁ。

今は、美華の為にも大事に使うよ。

約束したもんなぁ。」



『覚えているわよ。

いつか、アトリエ付きのマイホームを建ててくれるんですもんね。』



「あぁ、任せてくれ!

新星MUSICに就職して、確り働いて、立派なマイホームをプレゼントするから。」



『もちろん、都内で庭付きの一戸建てよ。』



「まっかせっなさ~い!」



『りゅう、最高!

こんなに幸せで良いのかしら!?』



「俺も幸せだから!」



と言いながら、美華の肩を引き寄せ、そっと口付けをおとした。



その日は、何度も何度もお互いを求め合い、眠りについたのは深夜3時を過ぎていた。