9月いっぱい営業しまくって、留学生達の仕事を、ゲットすることが出来た。
昼間の情報番組のアシスタントや、ライブハウスでのショーの披露、深夜のバラエティー番組など、週に4日は活動している。
それと平行して、自分なりに考えた番組の構想を企画書にして、社長に提出した。
既に社長の元へはかなりの数の企画書があがっているそうだ。
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それから数日後、第三営業課に出勤すると、皇(ファン)営業部長が来られていた。
皇営業部長は、営業部 第一営業課から第三営業課を統括する営業部長さんで、いつもは白川GM(ゼネラルマネージャー)の隣の部屋にある部長室にいるので、営業部 第三営業課に見えるのは珍しい。
皇 政範(ファン・ジョンボム)営業部長は、通称名もそのままの漢字でスメラギ マサノリと言うそうだ。
そして、名前のイメージそのままの厳しくて真面目な人である。
高山社長の奥さん、成 英美氏(ソン・ヨンミさん)の2才上のお姉さん成 珠姫(ソン・ジュヒ)さんの旦那さんでもある。
要するに、高山社長の義理の兄にあたる人が、この営業部長さんなのである。
20才の時、大学生だった皇(スメラギ)青年が、高山社長が設立したての新星MUSICに学生アルバイトとして面接に来た時からの付き合いだそうだ。
大学卒業後、正式に新星MUSICに就職して、就職祝いにと連れてきた仁寺洞(インサドン=社長の妻の実家の韓国家庭料理のお店の名前)で、珠姫(ジュヒ)さんと出会い、1年の交際を経て結婚したんだと、以前社長が話してくれた。
「おはようございます皇部長。」
『おはよう!
君が桧山君だね。待っていたよ。』
「何か御用でしょうか部長。」
『先日、君が提出した企画書が通ったよ。
それを持って、ひまわりテレビに放送枠の買い取り交渉をする為に、もっと詰めた内容の企画書が必要なんだ。
早急にお願い出来るかな!?』
「本当ですか!?
判りました。
それで、いつまでに……!?」
『出来れば来週の月曜日迄に完成させてもらいたい。
出来るね!?』
「……はい、了解しました。」
『これを機に、うち専用の広告代理店を作るそうだよ。
名前も、もう決まっているんだよ。』
「新星企画とか!?」
『横文字にして、【ニュースターエージェンシー】って言うらしいよ。』
「なんか、カッコいいですね。
それじゃあ、これから自社番組を定期的に作っていくんですね!?」
『そうだよ。
どうだい!?
広告代理店の方で頑張ってみないかい!?』
「私は、マネージャー業が良いので、ちょっと……。」
『ハハハ!!!
なかなか正直だな!
それじゃあ、企画書の件、宜しく頼んだよ。』
「はい、ありがとうございました。
ところで、自社番組をするに当たって、1回の番組制作費って、幾らくらいまで出るんですか!?」
『そうだなぁ、詳しい話はまだ出ていないんだが、社長としては1回だいたい1,500万~2,000万円くらいに考えてるんじゃないかな!?』
「結構厳しいですね。」
『まぁ、今回は初の試みだから、余り無茶をして、大赤字を食らう訳にはいかないからね。
まずは、パイロット版的な感覚で制作して、視聴率によっては制作費も上がっていくと思うよ。』
「そうですか。
了解しました。」
『来週の水曜日から研修に行くんだろ!?
そっちの方も頑張っておいで!』
「はい。頑張ってきます。」
とは言ったものの、こんなに忙しくては美華ともなかなかデート出来ないし、怒ってるだろうなぁ。
ここ数ヶ月、まともに二人っきりのデートどころか、会話すら無いんだから。



