KISS AND SAY GOOD-BYE






梨泰院(イテウォン=桧山の実家の韓国ダイニング)に着くと、



『隆元(ユウォン=桧山隆一の本名)、何名様だい?』



「10人でお願いしますハルモニ(お婆ちゃん)。」



『じゃあ、2階の松の間にお通しして!』



「はい。

じゃあ、皆さん、此方にどうぞ。」



『オッ!桧山君の処も掘りコタツにしたんだ!?』



「はい、社長。

仁寺洞(インサドン=高山社長の奥さんの実家の韓国家庭料理のお店の名前)に行った時に、掘りコタツだったのを、ペクブ(伯父)に話したら、うちも掘りコタツにするぞ!って秋夕(チュソク)の時に、1週間店を閉めて内装工事を入れたんです。」



(チュソク=韓国のお盆に似た行事である。)



『そうだったんだ!

後から工事で掘りコタツにするのは大変だったろ!?』



「はい。

費用が思った以上に掛かったってペクブ(伯父)も言ってました。」



『さぁ、皆、好きなのを頼みなさい。

遠慮は要らないからな!

アルコール以外なら何でもOKだから!』



次々と注文して、食事をしながら社長から、



『で、にちにちテレビの件、支社長的にはどうするんだい!?』



『現在の現状は、にちにちテレビにドラマで出演しています金田美世は、シーンの繋がりもあると言うので、彼女だけが出演禁止になっておりません。

バラエティでは、収録の終わったものは放映するが、新たなオファーは1ヶ月しないと言うこと。

歌番組も、収録の終わったものは放映して、次週からのオファーは同じく1ヶ月しないそうです。

留学生がアシスタントをしているものに関しては、次週からは他のプロダクションの若手グループを器用すると言ってました。

留学生は、これで後を絶たれた状態になってます。

これだけ考えても、新星MUSICの被害は相当なものです。

もう一度、にちにちテレビの方にお願いに上がるつもりですが、打開策として他の局へアプローチしてみるつもりです。

第一営業部から、第三営業部までのスタッフ総出で頑張って営業を掛けて貰うのは当然だが、会社サイドとしても、何か手を打たないとと思います。』



『具体的には!?』



『今後、不測の事態が起きても困らない物を作ろうかと!

出来れば、他の局で、週一で1時間の枠を買い取り、自社番組をと考えております。』



『新星MUSICが企画から制作までやって、オンエアまでの全てを遣ると言う事かね!?』



『はい、そうです。』



『で、どんな番組を作るんだい!?』



『そこんところは…、これから大至急考えていこうかと…………‥』



『自社制作番組かぁ………。

桧山君よ!

何か有るか!?』



「いきなり私ですか!!!

そう言う事は、新星MUSICの企画制作室に相談した方が宜しいのでは!?」



『何言ってるんだい!

君も、以前は企画制作室に居たじゃないか!

それに、この前はひまわりテレビに、自分の持ち込みの企画書で番組スタートさせたじゃないか!』



『そうなんですか社長!』



と、驚く第二営業部の部長さんや課長さんの視線が痛すぎます。



「分かりました。

何か考えてみますけど、放送枠を手に入れられなければ意味が無いので、まずはその枠を手に入れる営業を、掛けてみます。

それと平行して企画書も作りますから、社長は買い取りたい枠の時間帯や曜日、出せる範囲の予算を算出して頂けますか!?

高くつくようでしたら、新星MUSIC以外のスポンサーも探しますので!」



『社長、彼が噂のアルバイト君ですね!』



『そうだよ支社長。

前に一度、正月ゴルフコンペの時に優勝した彼だよ。』



『あぁ、あの時の!

桧山君、だったよな!?

宜しく頼むよ。』