社長室を出たところに待機していた社長秘書の 尹 萬靜(ユン・マンジョン)氏が、
『社長、どちらに!?』
『これから飯食いに行くから!』
『本日は、午後2時より新星系列子会社の社長会議が開かれますので、あまり遠くに行かれない様にお願いします。』
『分かってるよ尹(ユン)秘書!
梨泰院(イテウォン=桧山君の実家の韓国ダイニング)に居るから心配しないで!
桧山君、開いているだろ!?』
「はい、大丈夫です。
それに今日は日曜日ですから、空いてますよ。」
『と言うわけだ!
食ったら直ぐに戻るけど、何か有れば連絡して。』
『かしこまりました。』
『じゃあ、行こうか!?』
と言って、3人でエレベーターに乗り込んだ。
1階のロビーに降りると、そこには李(イ)支社長が秘書や第二営業部の課長や係長、それに主任まで引き連れて丁度外から戻ってきたところだった。
『支社長、どうしたんだね!?
今日は日曜日だと言うのに、第二営業部のみんなを引き連れて。』
『社長、実は先日のにちにちテレビの生放送で、うちのタレントが不適切な発言をしたとして、今後のにちにちテレビへの出演禁止処分が下されまして、謝罪とペナルティ緩和を求める為に出向いてきたところなんです。』
『うちのタレント!?
それは誰だね!?』
『今年の4月に古木芸能から移籍してきた、お笑いコンビの
"3KAN4ON"(サンカンシオン)
です。』
『あぁ、あいつらか!
で、どうなったんだ!?』
『一応、半年間のにちにちテレビの出入り禁止と、1ヶ月間の新星MUSICのタレントの出入り禁止に決まってしまいました。』
「社長、そうしたら、うちの留学生が今出てるバラエティ番組もアウトですね。」
『そうなるな!
せっかく桧山君が売り込んでくれたのになぁ。』
「それは良いのですが、彼等が可哀想ですね。」
『確か、君は第三営業部の主任さんだったね。』
「はい、支社長!」
『留学生だけじゃなく、俳優から歌手、モデルもアイドルも1ヶ月は駄目だってさ!
兎に角3KAN4ONには参ったよ。』
『それで、わざわざ支社長まで出向いて行ってきたって訳だな!
ごくろうさん。
どうだ!?飯食ったか!?』
『未だです。』
『よし、皆ついてこい。
飯奢ってやるぞ‼』
と言う事で、結局なんやかんやで10人で梨泰院(韓国ダイニング・イテウォン)に向かった。