8月に入り、美華とその友人で、俺と同じ中学の柘植直美や成山智絵、機械科の川田菊太郎や松山芳弘を誘い6人で湘南は、江の島にやって来た。
お笑い好きの川田菊太郎こと菊ちゃんは、直美のボケに毎回ツッコミを入れて遊んでいる。
松山芳弘ことヨシは、成山の絵本の話に興味津々だ!
水着に着替えて、シートをひいたら、菊ちゃんがパラソルをレンタルして来てくれた。
彼は、こういうチョットした事に、良く気がつく。
私がリュウ君に頼んで、やっと海に遊びに来れた。
直美や智絵と一緒に、可愛い水着を買ったんだから、絶対に見て欲しかったし、バイトばっかじゃつまんないもん。
今日は、パパに頼んで江の島まで乗せて来て貰ったんだ。
ママも、久しぶりの海に大ハシャギだよ!
皆が泳ぎに行ってる間、私とリュウはサンオイルを塗って浜辺のお散歩中!
お昼時になったので、パラソルのところに戻って来たら、見知らぬ親子連れが、美華のお父さんと楽しそうに談笑していた。
『パパ、お友達!?』
『あぁ美華戻ったか。
こちらはな、お父さんの友人で高山さんご家族だよ!』
「こんにちは、美華さんだったかな!?
私は、新宿で新星MUSICって言うプロダクションをやってるんだよ。
こっちは妻のヨンミで、息子のチャンスと、娘のハヌル。
私達は、在日韓国人なんだよ。」
『そうなんですか。
こちらの彼は、私の彼氏なんですけど、彼も在日韓国人なんですよ。』
「初めまして、黄隆元(ファン・ユウォン)と申します。
通称名は、桧山隆一と言います。」
『ユウォン君か!
こちらこそ初めまして!
コ・ヒョンジュと言います。
良かったら、いつでも新星MUSICに遊びにおいで。
有名人に合わせてあげるよ。』
「本当ですか!?
是非お伺いさせて頂きます。
それにしても可愛いお子さん達ですね!
ハヌルちゃんって言ったかな!?
小学生かなぁ!?」
『そうだよ。
小学2年生。
オッパ(お兄ちゃん)は、小学5年生だよ!
おじちゃんも音楽やるの?』
「ハヌルちゃん、おじちゃんじゃないよ。
お兄ちゃんだよ!
お兄ちゃんはね、音楽は好きだけど、聴く方だけなんだ。」
『チャンスオッパ(お兄ちゃん)はね、ギターが上手なんだよ、おじちゃん。』