KISS AND SAY GOOD-BYE






『カンパーイ!』



「いくら暑かったからって、生ビールを大ジョッキで一気飲みします!?」



『今日は良いの!

なんせ、関東大会で勝っちゃったんだから!

皆、今日は私のオゴリなんだから、遠慮しないでドンドン食べなさいよ。』



『マジっすかぁお姉さん!?

特選和牛ロース3人前追加お願いしま~す!』



「桑原!おまえ遠慮無いねぇ!」



『肉、久しぶりだから。

お前んちの肉、最高に旨いよ!』



今、俺達は打ち上げの為に、俺の実家の韓国家庭料理店【コリアンダイニング "梨泰院"イテウォン】に、学部のツレも交えてやってきているのだ。



桑原と言うのは、同じ学部で桑原健吾、そして彼女の内田優子と一緒に応援に来ていたのだ。



内田優子も同じ学部で、二人は大学に入ってから知り合い、付き合いだしたのだ。



「岩崎も若菜ちゃんも、今日はサンキューな!」



岩崎モーターズの息子、岩崎光志の彼女の山田若菜ちゃんは、新井の幼なじみで1才下の高校三年生だ!



『りゅう、ソルロンタンもお願いね!

あと、冷菜豚足(ネンチェチョッバル)も。』



「美華は、ホントにそれ好きだねぇ。」



『りゅう君、私にも注文聞いてよ。』



「ハイハイ!

それより藤浪、お前のボディーガードの彼等にも飯食わしてやれよ。

このお店は俺の実家だから、安全なんだから。

警備しとく必要無いだろう!

一緒に食べようぜ!」



『そうね。

皆さん、、こちらで一緒に食べましょ‼』



結局、皆で2時間以上食事しながら駄弁っていた。



俺は、美華と美華のお母さんを乗せて、彼女を自宅に送り届けていた。



「美華のお母さん、今日は遅くまで付き合って頂きありがとうございました。」



『良いのよ。

今日は、私も楽しかったわ。

娘の学友にも会えたし、藤浪の奥様とも実の有るお話が出来たから。』



「美華もお疲れ!

明日から、また新星MUSICで頑張ろうな!」



『そうね!

来週から、韓国留学生の新しい授業も始まるって言ってたけど、何するのかなぁ!?』



「殺陣(たて)を遣るんだって!

何でも、関東テレビの新ドラマが始まるんだけれど、うちの留学生達もエキストラで出るんだって。

時代劇で、吉岡道場の門下生をやるそうだよ。」



『それって、宮本武蔵!?』



「正解!

100対1の対決のシーンにその他大勢の門下生役で出るそうなんだけど、テコンドーは出来ても、殺陣はしたことが無いらしくて、急きょ殺陣の稽古をするんだって。」



『それって役者の人が来て教えてくれるの!?』



「いや、この際だから本格的な殺陣を習わそうと、殺陣の専門の先生の処へ毎日通わすみたいだよ。」



『この暑いのに大変ねぇ!』



「まぁ、歌やダンスだけじゃなく、何でも出来るマルチなタレントを育てているからね!

売れたければ、頑張るしかないんだよね。

だから、俺達がしっかりとサポートしなくっちゃいけないんだよ。」



『あなた達、ホントに学生!?

会話を聞いていたら、社会人と変わらないわね。』



「ハハハ……、いつも周りの友人からも同じ事言われます。」



『だからねママ、りゅうったら時々、デートの最中も仕事の話しが始まると、止まらなくなっちゃって、二人でノンビリ過ごした事が殆んど無いんだよ。』



「美華!お母さんに言わないでくれよ。」



と、頭をポリポリかく桧山であった。



『まぁまぁ、この娘ったら甘えちゃって‼

桧山君、美華を宜しくお願いしますね!?』



「ハイ!」



と、ハンドルを握り前を向いたまま返事をしたが、照れた横顔はリンゴの様に赤く染まっていた。