『何を言ってるの?
これからグループ分けをして売り出して行こうって話しをしているのに。』
「いやぁ、だって今回の女子留学生って皆さん個性の塊みたいな人ばっかりなのに、けっこう10人での練習が多かったのもあって、結構纏まりの有るグループですので、バラバラに解体するのが勿体無いようで…‼
それに、今の日本の芸能界で女性10人でやっているアイドル歌手グループって、無いじゃないですか!
多くても4人組だし、10人で歌って、尚且つ彼女達の得意なフォーメーションダンスをやれば、大ヒット間違いなしですよ。」
『そりゃあ、そうかもって思える部分も有るけど、1つのグループで売り出すより、複数のグループで売り出した方が、売り上げも大きいじゃない!』
「しかし、10人で売り出した方がインパクトも有るし、話題性的には、小グループ3つを売り出すより、戦略的にも面白いかと思います。」
『桧山主任、貴方も引かないわねぇ!』
「そう言うわけじゃあ無いんですが、彼女達の良い所を失いたくなくて……。」
『ちょっと良いですか河野次長!?』
『滝本さんの意見も聴いてみたいわね!
どうぞ!』
『私、思うんですが、お二人の言ってる事がどちらも良い意見に思えてならないです。』
「まぁ、確かに河野次長の意見も、凄く良く判ります。」
『でしょう!
だったら、両方遣れば良いんじゃ無いですか?』
「どういう事だい!?」
『だから、母体は10人グループなんだけど、10人で活動しながら、TPOに併せて2人でバラエティーに出たり、3人が音楽番組で歌ったり、5人がダンス踊ったりと、色んなユニットありきで1つのグループを売り出すのよ。』
「そっかぁ。
確かに、お笑い芸人のコンビがそれぞれピンで活動したりって言うのも有るし、需要と供給さえ一致すれば全員で活動しなくてもユニットで分けての活動も視野に入れれば良いだけなんだよな!」
『そう言う事よ。
どうでしょうか河野次長!?』
「僕も滝本さんの意見に賛成します。」
『そうね!
それじゃあ、滝本さんの意見を取り入れることにして、今回は10人組のグループとして売り出してみるわ!
後は課長のOKを貰えればスタートだから、私はそのための企画書を作成するから、桧山主任と滝本さんの二人で入管(入国管理局)に提出する書類の作成をお願いね!
二人とも、もう書き方は解るわよね!?』
「『はい!』」
『それから、10人組のグループ名の候補を幾つか考えといてくれる!?
もし、採用されたらあなた達の考えた名前でデビューするかもよ!』
「本当ですか!?」
『頑張って凄く良い名前考えてみます。』
『それじゃあ、そう言う事で!
デスクに戻って作業開始してね。』
「『はい!』」
ついに、女子留学生がデビューに向けてスタートだ!
俺も美華も、ワクワクする気持ちを抑えて、書類の作成に取り掛かった。