久しぶりに顔を出した新星MUSIC



先ずは社長に挨拶に行こうと受付のカウンターレディーの人にアポイントを頼んだ。



しかし、8月1日から韓国本社での新事業展開の為、不在だと言われた。



仕方がないので、そのまま第3営業課に向かった。



『桧山主任、久しぶりだな!』



「お早う御座います課長。」



『試験の方はどうでしたか!?』



「はい、単位を落とさない程度には出来たかと思います。」



『そうか、そうか!

そりゃ何よりだ。

実はな、留学生の件なんだが、今河野次長が模索している新ユニットとしての、CDデビューへ向けての企画をどうしても成功させたいんだが、滝本君と桧山主任でサポートに回ってくれるかな!?』



「はい、勿論です。

でも、池内主任も居るし、岡田次長や南波主任を差し置いて僕達で良いんでしょうか!?」



『ここ第3営業課には、現在40人のタレントが居るんだぞ!

皆、それぞれ複数人のタレントをマネージメントしている上に留学生の受け入れをしてんだぞ!

それに、春から研修を終えた新人くん達の面倒も見なくちゃあいけないんだから、文句言う奴なんかいねぇよ。

まぁ、しっかり頑張りなさい。』



「はい、分かりました。」



『それじゃあ早速奥のミーティングルームに河野次長と滝本君が来て打ち合わせをしているから、君も合流してきなさい。』



「はい、それでは失礼します。」



そして、奥の扉の閉まっている第1ミーティングルームをノックした。



コンコンコン!



『はい、どうぞ。』



「失礼します。」



と言って、ドアを明け45度のお辞儀をしてから入室をする。



『桧山主任、お久しぶりね!』



「お早う御座います河野次長。

滝本さんもお早う!

久しぶり。」



『桧山主任、お早う!』



「おう!」



『さて、玄田課長から聴いたと思うけど、女子留学生10名を5人と3人と2人の3つのユニットに分けて売り出していこうと思うの。

グループ分けの理由は、まずこの5人なんだけど、歌の上手な2人とダンスの上手な3人を組み合わせてみたの。

3人のコーラスもなかなかいけるし、2人のユニゾンの相性が最高なのよ。』



「成る程…。

確かにこの2人の声の相性は凄いですね。

聴いてて心地良いですし。」



『でしょう!

それから、彼女達3人のユニットなんだけど、背の高いモデル体型の3人を組み合わせてみたの。』



「あのぉ…、それじゃあ残った2人は…!?」



『彼女達2人は、グラドル路線でいこうかと考えているんだけど、何か意見が有りそうね‼』



「河野次長、気を悪くしないで聞いて下さいね。」



『大丈夫よ。

貴方の意見にはいつも驚かされるけど、毎回理(り)にかなっているから、確り聴かさせて頂くわ!』



「そう構えて聞かれる程、大した事じゃ無いんですが、グループ分けってしなくちゃいけないんですか!?」



唐突に質問され、言ってる意味が良く理解出来ないでいる河野次長と美華だった。