今日は8月2日。
たった今、全ての試験が終わってホッと一息ついていた。
久しぶりに、新星MUSICに顔でも出しとくか!
美華も多分来るだろうしな。
それにしても、美華に会うの久しぶりだよなぁ。
春学期(4月~7月末)も終わって、明日から夏休みだから9月26日まで、またバイト三昧だな!
何日間か休み貰って、美華と旅行したいなぁ~。
湘南でもいくかな!
なんて事を一人で考えていると、
『桧山!
明日さぁ、みんなで泳ぎに行こうぜ!
俺の父さんが大型クルーザー出してくれるから、10人くらいで船上バーベキュー遣りながら泳ごうぜ。』
と言ってきたのは岩崎だ。
岩崎モーターズと言うバイク屋の息子だが、親父さんは都内だけでも18店舗、関東一円に95店舗を経営している。
俺んちに有るマリンジェットも、こいつんちから買ったんだ。
パワーボートのエンジンなんかも扱っているし、パワーボートやプレジャーボート、ジェットスキーやマリンジェットも販売している。
「明日かぁ…。
誰が行くんだ?」
『俺と、俺の彼女だろ。
それから和田と彼女の関川だろ。
桧山が行くとして、勿論あいつも着いてくるだろうから藤浪だろ。』
「ちょっと待て!
俺と藤浪って、そんな関係じゃ無いぜ!」
『何言ってんの!?
ゼミ内じゃ、お前ら恋人同士って言うのは公然の事実じゃん!』
「マジで!?
俺、彼女居るし!
アイツとはダチ!
勘違いも甚だしいよ。」
『でも、藤浪はいつも、【隆一くんがさぁ~……。】って、お花くれたとか、パンくれたとか、昨日は一緒に帰ったとか、自慢してたぜ!』
「花?
アァ~!
それ食用の花が有るって話になった時に、そんなの知らないって言うから、何種類かのエディブルフラワーをあげたんだよ。
パンって、うちの叔父さんが天然酵母で作ったパンをくれたから、たんにそれをお裾分けしただけだし、お前にも遣っただろう!?」
『そう言えば確かに貰ったよ。
あれは旨かったよなぁ~!』
「だろう!
それに一緒に帰ったって言うのは、俺が帰ろうとしたら行きなりバイクの後ろに座り込んで、【お願いだから家まで送ってくれない!?今日はお迎えが来てくれないのよ。】なんて泣きながら言われたら、誰でも送るだろうよ。」
『ハハハ…。
桧山
お前相当アイツに惚れられてるな!』
「俺にはちゃんと彼女居るんだから、変な噂流れたら、またギクシャクしてしまうんだからな!
戸山キャンパスでは喋るなよな!
文化構想学部に俺の彼女が居るんだから。 」
『マジで!?
じゃあ明日さぁ、連れてこいよ。
一緒に遊ぼうぜ!
おっと!
噂をすればヤツが来たぞ!』
「藤浪!」
『隆一く~ん!
探したのよ。
試験も終わって、休みに入ったんだから、遊びにいかない?』
『藤浪、桧山は明日俺と遊ぶの。
クルージングしながらバーベキューしたり泳いだりしてさ。』
『えぇ~!
ヒド~イ!
私も行く!』
『来ても良いけど、桧山の彼女も呼ぶ予定だぞ♪』
「オイオイ、まだ来るかどうかわかんないんだぞ!」
『私、隆一くんの彼女に会いたくない!
隆一くん、明日は私達と行こうよ。』
「…………。」