留学生を連れて、安川課長と共にマイクロバスに乗り込み遣ってきたCSマーキュリーサテライト放送。



受付で櫻井プロデューサーに連絡をいれてもらい、20人の留学生達と共に通されたのは、裕に200人は入れそうなSスタジオと言うところであった。



普段は、通販番組等の収録に使われるところらしい。



そこへ、暫くすると櫻井プロデューサーがチーフディレクターやフロアディレクター、その他にもアシスタント数名と一緒に遣ってきた、



安川課長と、顔見知りのフロアディレクターが、にこやかに挨拶をかわし、一通り名刺交換も終われば、留学生達の出番である。



ミュージックバトル担当のディレクター達へもプロフィール付き宣材写真を渡してから、俺から話を進めていった。



写真を見ながら、一人ずつ自己紹介をしてもらった!



その後、フォーメーションダンスを踊ったり、オリジナルの曲を熱唱したりと、短時間の間にドンドンと披露していった。



女子留学生達も、男子留学生達に触発されたみたいで、一生懸命持てる力を披露している。



30分後、オーディション風景を撮影していたフロアカメラマンの新田さんて方が、フロアディレクターの加賀さんと打ち合わせをして、照明スタッフを呼び、本番さながらの照明を入れての撮影が行われた。



それを櫻井プロデューサーと共にレンズを通して確認し始めた。



俺も、安川課長とモニターに映る彼等の歌やダンスを確認して、その後色んな意見が出され、留学生達に色々と質問をぶつけてみたり、即興でイメージダンスを踊ってもらったりして、この日は終了だ。



遣りきった感たっぷりの彼等を新星MUSICに連れ帰り、俺と安川課長は玄田部長へ報告に向かった。



漸く仕事も落ち着き、コーヒーでブレイクタイムを取っていると、美華が遣ってきた。



『リュウ、今日はどうだった!?』



「手応え有りって感じだけど、返事もらえるのは来週だって!」



『そっかぁ。

それにしても久しぶりだね!

会いたかったんだよ。』



「だよな!

最近やたらと忙しいもんなぁ。

特に週末はひまわりテレビの収録が入ってるし、平日は所沢キャンパスだし、マジで美華が足らないよ!」



『私も!

リュウが足らないわ!』



「今日帰りさ、家による!?」



『よるよる!

梨泰院(イテウォン=桧山の実家の韓国家庭料理店)でスンデ(韓国の腸詰め)とチョッバル(豚足)が食べた~い!』



「普通の女の子なら嫌うのに、美華は本当に好き嫌いが無いねぇ!」



と、感心しながらも、食の相性の良さを嬉しく感じてる桧山だった。