今日は、土曜日



時刻は現在朝の8時15分を少し過ぎたところ。


俺は、美華と一緒にヒマワリTVの正面玄関に来ている。


「お早うございます、安西プロデューサー。」


『お早うさん。

ちゃんと遅刻しないで来れたわね!

貴方は、池内D(ディレクター)の指示に従って動いてね!

美華ちゃんは、私の指示に従って貰うからね!

池内D、桧山君の指導は、貴方にまかすから、宜しく頼むわね。

とっても元気があるから、しっかりコキ使っても構わないわよ。』


『アイヨ!

任せてちょうだい。

じゃあ早速、この照明機材を、あそこのワンボックスに積み込んでくれ!』


「ハイ。

分かりました。」


『じゃあ、美華ちゃん!

力仕事は、男連中に任せて、私達はあっちで打ち合わせしましょうね!』


「何かウソクセ~!」


『桧山ちゃん!

何事もキャリアに逆らわず、黙々と仕事をこなせば良いんだよ。

こっちの箱も忘れずに積んでおけよ!

替えのテープが入ってるんだからな!』


「ハイ。」


『山本(AD)、竹内(AD)、何サボってるんだよ!

お前等もちゃんと働け!

大卒だからって、気を抜いてたら、いつまで経ってもADのままだぞ!』


「池内D、もし宜しければ、このボード持つのをやらせて頂けませんか!?」


『この日本地図のボードは、番組の中でADが持つやつなんだぞ。

これ持って走り回るのは大変なんだよ。

見た目より重いし、カメラが向いてる時には、グラつかせたらいけないから、結構体力いるんだぜ。』


「でも、TVに映れるでしょ!?」


『まぁな!

でも、前回このボードを持って走り回ってたADは、結局ダウンして仕舞って、腕が上がらなくなったって言ってたぞ。』


「大丈夫です。

体力には、かなり自信が有りますから。」


『そうか!?

お~い、山本!

今日は、お前がボード持つ番だったよなぁ!?』


『ハイ。そうです。』


『バイトの桧山ちゃんが、ボード持ってくれるそうだが良いか!?』


『本当ですか!?

良いですよ!

桧山君、じゃあ宜しく頼むな。』


「こちらこそ、無理に代わって貰って有り難うございます。」


『お礼を言いたいのは、こっちだよ!』


「そんなに大変なんですか!?

それじゃあ、頑張ります。」