KISS AND SAY GOOD-BYE

 



今更ながらに、彼女との環境の違いに気後れしてしまった。


普段、学校に居るときは気にならなかったけど、この屋敷と庭の広さは、お金持ち以外の何者でもない。


何でも、彼女のじいちゃんが大手輸入家具の会社や、造園の会社など、手広くやって儲けたそうだ。


今は、東日本最大のホームセンターチェーン店の会長をしているとか。


美華の親父さんの兄さんが、後を継いで社長をしているそうだ。


またまた電車で帰宅した時には、既に夜の7時になっていた。


しかし、家には4才上の姉、彩英(チェヨン)ことアヤ姉しか居なかった。


「アヤ姉、ただいま!

親父達は、まだ帰って無いの!?」


『父さんは、いつもの様に10時迄帰って来ないわよ。

母さんは、今日は早いって言ってたから、もうすぐ帰って来るんじゃないの。』


「そっかぁ。

そうだアヤ姉、俺さ週末バイト始めたから。」


『そうなんだ!

何のバイトなの!?』


「TV局のADみたいな仕事なんだ。

ヒマワリTVの番組で、探せメロス全国制覇って言うの知ってる!?」


『あぁ。

あのグラドルがやっている、くだらない番組でしょ!』


「そうなんだ!

そのくだらない番組のアルバイトADをやるんだ。

時給1000円で、月10万円くらいにはなるんだ。」


『あんた、バイトなんかしなくても、ハルモニ(お祖母さん)に頼めば、いくらでも小遣いくれるじゃない。』


「そうなんだけど、そこのヒマワリTVの社長の娘が、俺の彼女なんだ。

頼まれて、ついOKしちゃった。」


『あんたは、ホントに女が絡むと、頑張るんだよねぇ。』


「ところで、アヤ姉、今日は、帰って来るの早いけど、デートは無いの!?」


『哲壽(チョルス)さんは、今は韓国に人参や唐辛子の仕入れに行ってるから、1週間会えないの!』


「また韓国に行ってるのかよ!

実は、キーセンに行って、女買って遊んでるんじゃないの?」


『何言ってるの!?

チョルスさんが、そんな事するわけ無いじゃん!

あんたと一緒にしないでよねぇ。』


「ところで、チョルスさんがアヤ姉と付き合ってるのって、アボジ(親父)やオモニ(お袋)には、まだ言ってないのかよ!?」


『うん!

ハルモニ(お祖母さん)にはバレたけどね。』


「ハルモニ何て言ってたの?」