KISS AND SAY GOOD-BYE






新星MUSIC本社内は、そろそろ終業の時間なのか、受付のスタッフはカウンターの中を片付けていた。



各課のスタッフも、帰る準備をしていた。



忙しいのは、所属タレントとタレントマネジャー、そして後は当直のスタッフと警備のスタッフだ!



早朝から働いていたスタッフが、当直のスタッフに仕事の引き継ぎを行っていた。



毎日の事なんだろう。



とてもスムーズに申し送りや連絡事項を交わしていた。



日本サイドの遣り方とはかなり違っているのが感じられた。



と言うのは、韓国サイドの申し送りは口頭で1度伝え、聞いた相手はそれを送ってこられたメールの内容と一致しているか確認して、間違いが無ければそれで申し送りが終わりなのだ。



韓国は、日本より携帯電話が普及しているのが良くわかる。



日本では、ようやく携帯電話の使用がスタートしたばかりなので、まだまだメールよりもメモをとる光景を見る方が多かった。



美華は、買い物をした荷物を抱えてロビー横のソファーにへたりこんでいた。



俺は、受付のスタッフにハングル語で



「スミマセン、高(コ)社長に伝言をお願いします。」



『黄(ファン)様ですね。

社長から言伝てが御座います。

こちらをどうぞ!』



と言って、1枚の封筒を渡された。



中を開けて確認すると、そこには



【隣のロッテワールドのセミスィートを僕の名前で予約して有るから、ヤッパリ今日は滝本さんとそちらに泊まりなさい。

私の方から、もう一度ホテルの方へ連絡して君達二人が行くことになったって伝えてあるからね♪

頑張れ若者達!】



と、綺麗な日本語で書かれてあった。



「美華、社長から言伝てがあるよ!」



と言って、先程渡された封筒を美華に見せた。



内容を確認した美華は、みるみる笑顔になり、



『さすが高山社長だね!

リュウ、早く行こう!』



「ちょっと待って!

マジで良いのか!?」



『マジで良いの!

この日をずっと待ってたんだから!

さぁ、早く部屋見に行くわよ!』



「もう、美華には敵わないや!

それじゃあ、その前に高山社長に連絡だけは入れておくよ。」



と言って、社長から渡されていた携帯電話で短縮の1番を押した。



数コール後、



『ヨボセヨ(モシモシ)!』



「高山社長、桧山です。」



『フロントで私からの言伝ては読んでくれたかね!?』



「はい、読みました。

驚きました。」



『ヤッパリ、海外へ旅行に来たなら楽しまなきゃね!

君達二人だけでは、何かと心配だろう!?

秘書を一人貸そうか!?』



「いえ、大丈夫ですから、そんなに気を使わないで下さいよ。」



『そうかそうか!

分かった!

じゃあ、今晩は楽しんでくれ。

その代わり、明日は、朝10時には本社に来てくれよ。

留学生の荷物を纏めないといけないし、今日の報告も有るからな!』



「今日の報告もって!

何を…………」『何か勘違いしてないか?

今日、社内を見て回って気が付いた事を報告してって言ってあっただろう!?』



「アッ、はい。

……分かりました。

それでは明日と言う事で!」



『それじゃあ!今晩はゆっくりと過ごしなさい。

晩御飯はどうするかね?』



「ホテル内のレストランで何か探してみます。」



『それじゃあ、ちゃんと避妊だけはしてくれよ!』



「…………//////……は…い。」