KISS AND SAY GOOD-BYE






ロッテワールドホテルの正面玄関を抜けると、目の前には黒塗りのタクシーが数台並んで客待ちをしていた。



『リュウ、これに乗るの!?』



「違うよ。

この黒塗りのタクシーは、【模範タクシー】と言って、ちゃんとしたサービスの出来るタクシーなんだけど、日本のタクシーと余り変わらないから面白く無いだろう!?」



『そう言われてみればそうね。』



「それに、料金だって大型タクシーとおんなじ料金を取るんだぜ!」



『じゃあどうするの!?』



「ホテルの敷地から一歩外に出たら、一般のタクシーが走って居るから、食後の腹ごなしも兼ねて少し歩こうか!?」



『は~い!』



と言いながら、俺の腕に美華の腕が絡んできた。



腕をくんで歩きながら、新星MUSICとは反対側に向かって歩いていると、



「これに乗ろう!」



と言いながら、手を挙げて銀色のボディーのタクシーを停めた。



「さぁ、これに乗ろう!」



ドアを自分で開けて、リュウが先に乗り込んだ。



リュウの後に私が乗り込んだら、



「自動じゃないから、美華が自分で閉めてな!」



『うわ~、初体験だ!

日本じゃ考えられないわよねぇ。』



「そうだろう、乗り込むときも俺がドアを開けたの見てた?」



『見てた見てた!

何で開かないんだろうと思ってたら、いきなりリュウが開けたからビックリしたよ!』



「ボディーの色を見たかい!?」



『見たよ!

銀色だよね!?』



「そうだよ。

たまに町中を見ていたら、オレンジ色のタクシーもいるから!

最近、一般のタクシーは、銀色からオレンジ色に代わっていってるんだ。

そうしたら、タクシーを見付けやすいしね!」



『そうね。

前を走っている別のタクシーの上にカードタクシーって書いてるけど、あれってなぁに!?』



「それはね、テレカみたいなカードなんだけど、T-moneyって言ってそのカードで支払いが出来る、最近導入したシステムなんだよ。

テレカ同様、色んなアイドルなんかのT-moneyも有るんだよ。

新星MUSICのタレントのも有るんじゃないかな!」



『そっかぁ!

なんか、タクシー1つ取っても知らないことだらけだわ。

勉強になるわ。』



「帰りはバスに乗ろうね。

面白いものが見られるかも。

それとも地下鉄が良いかなぁ~♪」



『地下鉄が良いわ!』



「分かった!

じゃあ、帰りは地下鉄にしよう。」



と、盛り上がっている内に梨泰院(イテウォン)に到着した。