「ハァァ…ハァァ…やべぇ…」
口の中が乾燥してきながらも全力で走り、二郎丸中学校の正門をくぐった……。
(また遅刻しちまう…新学期っつーのに!)
チャイムが学校中に響きわたると同時に俺は、2年5組のドアを引いた。
先生が呆れた目で俺を見つめながら、ため息をつく。
『早う座れ!!』
「すみませーん。」
反省の気持ちなど、さらさらないがテキトーに謝って席につく。
『えー、今から出席番号順に新しいクラスを言っていくから、言われた者は荷物ば持って新しいクラスに移動せい!』
みんな、緊張した様子で自分のクラスが言われるのを待った。
正直、新しいクラスなんて、どーでも良かった…
ただ、最後の中学校生活を楽しめるならば、それで良いと思った。
部活があるし、恋もしたいし、受験もある…やりたいこと、やらなければならないことの、全てをすることができるのかが唯一の不安だった…。