夜道を歩くその足は自然と速度を落としていく。



「星が見たいの?」




僕がそう聞くと君は頬を染めて俯く。




「……うん。この前みたいなの」




先週もこの道をふたりで歩いたその時は今日みたいな空じゃなくて、満天の星空が広がっていた。




「雲はイジワルなのねっ。星を隠してしまうんだもの」




頬に空気を入れてプクッと膨れてしまった。