「馬鹿」
…はい?せめてお前よりは頭いいとおもうんすけど。
「なんで、本音ゆったん?」
「はい?」
「お前さー、俺じゃなかったら殺されてたよ」
おっしゃっている意味がわかりませんのよーっ。おほほー…
自分の言ってることに笑えて吹き出すと
「妄想してんのかこいつ。意味不明」
‘ボコッ’
殴った。うざい。嫌い。こいつ
「ってーなあ。明莉ちゃん」
「当たり前だろ。格闘技やってたんだから」
「まじかあ」
なんだこの会話。普通の不良だったら犯すだろ、普通。
「っとっとっと」
「何?」
「うああああっ。声に出てましたか。」
急いで口を手でふさぐ。
「なにが「っとっとっと」なの?」
じっとこっちをみてくる。きゃあーみないでえ。
弱い。それだけには弱い。じっとみられんの嫌い。
「あのねっ、そのお…転びそうだったから…えーと」
「バランス崩してなかったよね?」
おいおいおいおい。君死にたいのか?君。
「まあ、いいじゃん…ね?」
開き直ると
「ふーん」
なんだよその態度!?自分から聞いてきた癖にーっ
いやいや、なんでムキになってるんだ?あたし。
と自分につっこむ。
「でー。君、なんか隠してる」
「いやいや、そんなん誰にでもありますよ。隠し事なんてえ…」
「そーじゃなくてっ」
つっこまれる。こいつと漫才くんだらおもしろそーっ…。
「で、なに考えてんの?明莉ちゃん」
何?何ってー…。妄想ですよ。おわかりーっ
「今さ、心の中で叫んだでしょ?」
「あ、ばれた?」
つい本音がでちゃう
「そーなの?」
「いやいや、いやっ。ないない」
「なにが?」
…こいつ、馬鹿なのか、天然なのかわかんねー
「携帯がぁ…。って…あれ?ん?えーっと。えーーーーー?」
「どしたの?」
「ない!ない!まぢでない」
「嘘ついたんだ…」
おい、そこ落ち込む場所じゃないよー。あたしの大事な
携帯がないんだよーっ。携帯。どこ行ったんだ。出てきておくれーっ
「探そうか?」
「…」
「おーいっ!明莉ちゃーん?」
「い…いい。一人で探すもんっ」
そう言ってあたしは屋上から逃げた。