「ところで真理亜さん。
ここには、どのような用事で?」
この場所にわざわざ来るということは、何かしらの用事があると思うのだが、授業を欠席してまでの用事というのが、深青には思い浮かばなかった。
恐らく、先ほど言っていた『シスター』と呼ばれる人に用事があるのだろうが―――…
それに、教師には話が通っているということからしても、かなり重要なことのような気がしてならなかった。
「それは、中に入っていただければわかりますから―――…」
なぜか、そう言った真理亜の表情が寂しそうに見えて、深青は何も聞けなかった。