深青の元には、『一陣風霊会』が調べ上げた、極秘の資料が松下経由で届く。


 その中には、警察の捜査情報も含まれていた。





 これまでに被害に遭ったのは三人の生徒。


 いずれも、聖マリオネット女学院に通うだけのことはあり、由緒正しい家の出のものばかり。


 でも、その三人に共通点があるかと言われれば、この学校に通っているということだけ。


 それ以外は全くといっていいほど接点は何一つなかった。


 学年もバラバラであれば、住んでいる家の方向も違う。


 おまけに、三人は親しい間柄でもない。


 それどころか、お互いに名前すら知らないのではないかというほど、接点がなかったのだった。





 三人に接点はない。


 唯一の接点はこの学校の生徒であるということ。


 そして、殺され方が同じだということ―――…。


 つまり、犯人は同一犯―――…。





 警察内部では、模倣犯という説も出ているようだが、深青は『ない』と思っていた。


 そして、恐らく人の仕業なのか人ならざる者の仕業なのかということであれば、人ならざる者の仕業なのだろうと思っていた。


 何か確証があるのかと言われれば、証拠となるようなものはない。


 だけど、この事件には必ず人ならざる者が絡んでいる。


 それは、松下から聞いた時点で薄々感づいてはいた。


 そして、松下はわからないと口では言っていたが、彼もこの事件は単純な人が起こした犯罪ではないと思ってのことだとも。