チラリと周りを生けるふりをして、見渡す深青。


 足の痺れを我慢しながら、アセアセと生けている深青とは違い、周りの生徒は澄ました顔で一本一本を生けていく。


 そして、それを器を回しながら、確認するなんて余裕まで見せていた。





 私には絶対に無理だわ……。





 見よう見まねで毎日の一般教養の授業をやり過ごしている深青だが、すればするほど、自分とここの生徒の差を見せ付けられた気分になる。


 育った家の環境が、ここまで現れるとは深青は思いもよらなかった。