苦笑いを浮かべる深青。


 それもそのはず。


 この一週間で、この学校がどれだけ特殊かは、深青は身を持って体験した。


 それは、今も現在進行中。





 学校の授業で、まさか、一般教養として、テーブルマナーやダンスを学ぶとは思わなかったもん。





 今日の一般教養の授業で、手痛い失敗をしてしまった深青は苦笑いを浮かべずにはおれなかった。


「でも、大丈夫ですよ。

初めは戸惑われるかもしれませんが、そのうち慣れますから」





 優しく話す彼女に微笑み返すものの、『絶対に慣れない』と、内心では深く思った。


「ところで、如月さん。

もう、お聞きになりましたか?」





 いきなりの問いかけに、深青は首を傾げる。


 そんな深青を見て、周囲を気にしながら、顔を寄せてくる彼女の様子から、あまりいい話ではないことがわかる。


「何か、あったんですか?」





 問いかけた深青に彼女は神妙な面持ちで返してきた。


「実は、如月さんはご存知ないかもしれませんが、A組の仲間祥子(なかましょうこ)さんが、昨日の午後に遺体で発見されたらしいんです」





 また………





 内心では、そう思いながらも、深青は「そうなんですか…」と、当たり障りなく返す。





 そんな深青の言葉に、彼女はより一層表情を曇らせた。