「おっ美佳ちゃん! おはよう!

…それ高校の制服?」




キャスター付きの椅子に座ったまま



カニ歩きをしながら近づいてくる。





――なんかカワイイ…





見とれている間に私の前に来て



「ここの制服姿も可愛いけど

高校の制服姿は更に可愛いね」




いつもの笑みを含んだ目をそらすことなく



上目使いに私を見ながら言う。





――可愛いなんて


言い慣れてるんだろうな…





7歳の歳の差を恨めしく思いつつも



体は正直に反応し



“可愛い”と言われた恥ずかしさで



みるみる顔が赤くなる。





「もぅ塚本さん!

誰にでもそんなこと言ってるんでしょう!」




照れ隠しに塚本さんの肩を軽くたたく。



「いやいや違うよ

美佳ちゃんがホントに可愛いから


正直に言っただけで…


誰にもこんなこと言わないって」





「またまたぁ〜!」





再びたたこうとした右手を


塚本さんの左手に掴まれる。