― カチャン ― 背後で玄関のドアが “もう遅いよ”と言わんばかりに音をたてて閉まる 自分から言い出したことなのに ――もし気持ちが分かってもらえなかったらと思うと 怖くて玄関から動くことが出来ないよ 何から話せばいいんだろう 何を言って欲しいんだろう 何を求めているんだろう 頭の中がぐちゃぐちゃだけど… 望みはただひとつ 私を… 女の子じゃなくて… 女として見てほしい