禍から数日。
愛する子らの生活は激変していた。
サクラの地は電気はいち早く回復したものの、水が回復せず、子らは飲み水を確保するために給水車にならび、トイレを使用するために池や川に水を汲みに行く。
瓦は落ち雨を仮止めのシートで防ぎ、燃料が早々に無くなったため乗り物は使えず、使えたとしても塀が飛び散り陥没などの危険がある道路を走らねばならない。
それでもまだマシ。
サクラは誰も祠に訪れぬ夜、いつも一番近い民家にテレビを見に行くのを楽しみにしていた。
テレビは便利で愉快な物で、各地の情報を伝え、笑いや感動も伝えてくれる。
けれど今は。
テレビは悲しみとサクラの想像を絶する壮絶な映像を流し続けていた。
船、車、家が同じ場所を流れる。どういうことじゃ・・・
映画などでは近い映像を見たことがある。けれどそこには違和感があった。
しかし何度も流れる映像に違和感がない。
違和感がない怖さがそこにある。
防波堤を乗り越える水が黒い。
なんじゃあの色は・・・命の源である水があそこまでおぞましい色に変わるのか・・・
そして刻々と増え続ける命奪われし者の数。
おおお・・・おおお・・・
その数字の膨大さが思考を止め理解にいたるまでに時間を要してしまう。
そして、サクラが預かりし地にも、禍の新たな悪夢が忍び寄っている。
愛する子らの生活は激変していた。
サクラの地は電気はいち早く回復したものの、水が回復せず、子らは飲み水を確保するために給水車にならび、トイレを使用するために池や川に水を汲みに行く。
瓦は落ち雨を仮止めのシートで防ぎ、燃料が早々に無くなったため乗り物は使えず、使えたとしても塀が飛び散り陥没などの危険がある道路を走らねばならない。
それでもまだマシ。
サクラは誰も祠に訪れぬ夜、いつも一番近い民家にテレビを見に行くのを楽しみにしていた。
テレビは便利で愉快な物で、各地の情報を伝え、笑いや感動も伝えてくれる。
けれど今は。
テレビは悲しみとサクラの想像を絶する壮絶な映像を流し続けていた。
船、車、家が同じ場所を流れる。どういうことじゃ・・・
映画などでは近い映像を見たことがある。けれどそこには違和感があった。
しかし何度も流れる映像に違和感がない。
違和感がない怖さがそこにある。
防波堤を乗り越える水が黒い。
なんじゃあの色は・・・命の源である水があそこまでおぞましい色に変わるのか・・・
そして刻々と増え続ける命奪われし者の数。
おおお・・・おおお・・・
その数字の膨大さが思考を止め理解にいたるまでに時間を要してしまう。
そして、サクラが預かりし地にも、禍の新たな悪夢が忍び寄っている。

