その日も、えみは屋上に向かっていた。 誰も居ないとわかっているから いつものように勢いよく扉をあけた。 「よいっ… 「うん…。あぁ…。…悪ぃ…あぁ…。」 ―先生の声だ… えみの声に聞きなれた声が重なった。 風を受けて大きく息を吸ったが 先生の声を耳にして、 出来るだけ小さく息をはいた。 ―先生だ… 先生を目の前に えみは立ちすくんでいた。